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 最近感銘を受けたものについて書き連ねていこうと思う。全く自己満足のためのブログであるがついてきてもらえるとありがたい。単なる個人的な感動を言葉で表現して、他に伝え共有できるのが人間特有の能力のひとつだと考える。言葉を発明した先祖、さらに言うと最初に二足歩行を試みたお猿様がどんなに偉大であったか...などと最近考えることがあるが、そんなことはどうでもよい。

 

 本題に入る。まずは映画。春休みにアマゾンプライムに入会した。今まで利用していなかった自分に腹が立つほど便利なサービスである。時間が許す限り色々なジャンルの映画を観たが特に刺さったのはこの3つ。『スタンド・バイ・ミー』、『フォレスト・ガンプ』、『ショーシャンクの空に』。いずれも言わずと知れた名作であり、20歳になる年になってやっと触れたというのが恥ずかしい次第である。名作であるからして躊躇なくネタバレを含めて記していく。

 

スタンド・バイ・ミー

性格も個性もバラバラの少年4人が仲良くやっている。それぞれがコンプレックスを抱いており「死体探し」の中でぶつかり合いながらも終着点にたどり着く。ある日を境にその集団の結束は弱まっていく。特に面白みのあるストーリーというわけでもないが誰もが持つ「あの時代の記憶」がくすぐられるような気がした。私も中学時代、全く価値観も学力も釣り合わない仲間たちとつるんでいた。自分語りになるが成績は良い方だったのでゴーディの立ち位置に自分の姿を投影した。そしてやはりヤンチャでありながら理解力のある友人もいた。クリスのような奴である。私の所属していたその集団も本作と同様に自然に消滅した。それでもなお彼との交友は続いている。「進学クラス」に共に進んだゴーディとクリスが自分たちのように思えた。

 

フォレスト・ガンプ

特別支援学級の児童や生徒はある一つの分野に特出した能力を持っていることが多々あった。それに憧れを持っていたのは言うまでもない。ガンプの場合は走ることであった。数々の試練を乗り越えていく彼に憧憬の眼差しを当てる。ダン中尉もババも大好きなキャラクターだ。ババ・ガンプ・シュリンプ水道橋店を訪れ、キーホルダーを買った。それくらい良かった。ひとつ気にかかることをあげるとすればジェニーだ。クソ女すぎないか?

 

ショーシャンクの空に

脱獄は全く予想していなかった。少し突飛すぎて最後の方は早足に感じてしまった。屋上作業中に刑務官に経理の口出しをして認められて仲間にビールを振る舞うシーンはとても良かった。やはりどこにいても学は必要だと思い知らされた。逆に刑務所長に利用され続けてしまうという側面を見ると知識があると生きるうえで面倒が増えてしまうとも感じた。「法には抜け道がある」のセリフはとても共感する。架空の法人格を作り上げ逃亡する姿はとても格好良かった。

 

 続いて音楽。音楽は映画よりも母数が多いので4月によく聴いたものについて書こうと思う。

 

羊文学『ラッキー』

「夢の中で 私見たの 大魔神が恐竜に食べられる」「ラッキーデイ 今日は理屈じゃないとこで 幸せが訪れる そんな日になる」

羊文学特有の世界観が描かれている。自分を抑えつけるものが退けられて、今日一日が良い日になりそうだという気持ちを持たせてくれる。バイト先までの道でよく聴いた。「拳一つで隕石をぶち破る!」

 

松たか子明日、春が来たら

松たか子さんの歌声が良い。好きだ。

 

 次は小説。最近のマイブームは村上春樹である。これまた今更である。本当に情けない。そしてどっぷり浸かってしまっている。『カンガルー日和』が衝撃的であった。村上春樹の作品の印象は「どこの国の話で誰が誰なのかよくわからない」といったものである。日本なのか外国なのか、今の語り手は誰なのか、そして男なのか女なのか。あるウェブサイトの解説を読んだが、どうやら村上春樹自身が英語で本文を書きそれを日本語に訳し直して、という手法をとることがあるようだ。それでは言い回しが外国文学調なのも頷ける。そのような言い回しがキザで苦手だと言う人がいるようだが、僕は大いに歓迎するタイプの人間だ。『カンガルー日和』の中で好きな話は2つ。「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」、「図書館奇譚」。前者はまずタイトルが良い。とても好みの響きである。そして内容もすごく村上春樹臭いのではないかと思う。僕はこのお話にハマった。これは是非とも皆さんに読んでいただきたい。後者はある一節が自分が常々考えていることと完全に重なり合っていて感動した。「羊男さんには羊男さんの世界があるの。わたしにはわたしの世界があるの。あなたにはあなたの世界がある。だから羊男さんの世界でわたしが存在しないからって、わたしがまるで存在しないってことにならないでしょ?」。

 

 大変長くなってしまい申し訳ない。ここまで読み進めてくれた人がいるのなら感謝の意を伝えたい。ありがとう。誰かに自分の好きなものについて語る機会も減ってしまっている。相手からのレスポンスがあれば嬉しいが、吐き出すことができるだけでも気が楽になる。また溜まったら書こうと思う。以上。

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 小学1年生の夏休み以来、毎日欠かさず日記をつけている。おしゃべりも好きだけど、文字を書くことや頭で考えていることを文章にすることも好き。みんなに自分の話を聞いてもらいたい。自分が生きていたという記録をどこかに残しておきたい。誰かに自分の存在を認識してもらいたい。いわゆる承認欲求を満たすためにブログを開設しようと思う。日記ほど頻繁に綴るわけではないと思うけど、とりあえず始めてみる。誰かに読んでもらえるかもしれない、それだけで嬉しい。